後藤政志さん(61)が、福島第一原発の事故や青森県に建設中の大間原発について語った。

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原発の設計者が事故の実態語る
2011年05月09日

■函館で講演会


 原子力発電所の問題を考える講演会が8日、函館市であり、かつて大手電機会社で原子力格納容器の設計に携わった後藤政志さん(61)が、福島第一原発の事故や青森県に建設中の大間原発について語った。大間原発訴訟の会が企画し、約100人が集まった。


 後藤さんは「福島原発で何が起こっているか」と題して解説。今回の事故では原子炉格納容器内も高温・高圧になったため、放射性物質が漏れるのを承知のうえで中の圧力を逃がす作業が行われたことに触れ、「(放射性物質を閉じ込めるための)格納容器にとって自殺行為とも言える行為まで行わざるを得ない状況だった」と述べた。


 技術者の立場で感じたこととして「原発を作るといったん決めて設計に入ると、個人的には安全性を高める努力はするが、ある程度の大枠がある」と指摘。「大枠を超えるには予算が必要だが、予算を取るためにはその理由を証明しなければならない。一般的には難しい」と述べた。


 最後に「原子力が『環境にいい』と言っても、放射性物質が漏れれば半永久的に地域を汚染する。『安定した電力』と言っても、地震のたびに長期停止が余儀なくされる」と説明し、「原子力を今後、どう代替していくかに尽きると思う」と強調した。