5月8日の函館における後藤政志さん講演会の内容。テーマは「大間原発とプルサーマル」



5月8日の函館における後藤政志さん講演会の内容。テーマは「大間原発プルサーマル」となっていましたが、福島第一原発の話が中心となりました。まず地震発生時から翌日に掛けてのデータがほとんど公表されていないことが大きな問題であると。

特に水素爆発に至る経緯で、どのような経路で水素が原子炉建屋に充満したのか不思議であると言われました。原子炉格納容器の圧力が上昇してベントすることになったがベントの放出先は通常は外部になっているはずなのに、独自の情報ではベントした蒸気と水素が建屋内に出された可能性があるらしい。

どのような配管接続なのかは明らかにされていないが、その独自の情報は仏のメーカーからのもので、もしこれが事実なら国民には隠蔽しつつ海外には情報提供していることになる。まことにけしからん話であると。またベントの際の放射性物質放出の説明もあいまいであった。これもけしからん話である。

ともかくも地震の際の緊急停止で制御棒が今回は上手く動作して核反応は停止できたが、今後の事故で同様に上手く動作する保証はない。また現在の冷却機能については本来の緊急冷却装置で必要な水量を全く確保できていない為、不十分で綱渡り状態であるため予断は許さない。

大間原発について。ABWR型と呼ばれる改良型沸騰水型炉で主な特徴は、①格納容器がコンクリート製になっている。②原子炉再循環系ポンプを圧力容器内臓型にして配管等を簡素化。しかしながら特に耐震性が優れてる訳でもなく同様の事故では危険は免れないと指摘。以下後藤さん自身について会場の方からの質問に答える形でご自身の立場や知見、主張について話されました。現役の設計技術者として、安全性の追求をしてきたが実際には開発予算や人間関係で十分な設計ではなかったと認めるしかないそうです。原子力ムラ内部の立場では公に発言できなかった。匿名で著書は出されてます。

原子力発電は火力発電に比べて水蒸気の温度・圧力共に低いレベルで効率の低い発電になっているが、そもそも300度を超える温度では原子炉の安全を保てないからだと言う事です。ほとんどの熱を海に放出しているわけで地球温暖化防止には役立っていません。