柏崎原発の桜の奇形なんていうのがある。

http://actio.gr.jp/2008/12/20063708.html

この春柏崎刈羽原発周辺のサクラに大異変
12月 20th, 2008 by taketake in アクティビティ 5年間全国で続けた調査で明らかとなった

 7月29日午後3時より、参議院議員会館会議室において「サクラ調査ネットワーク」の記者会見が行われた。「サクラ調査ネットワーク」は過去5年間、全国40〜50ヵ所で開花時の桜の異常花率を調査してきたが、今年春、新潟県柏崎刈羽原発周辺で例年にない高い数値が示された。この異常花率の急上昇は、昨年7月中越沖地震の際に原発から漏れ出た大量の放射能が原因ではないのか、と疑問を投げかけた記者会見の要旨を掲載する。

<異常花率は昨年の3%から23%へ跳ね上がった>
 「サクラ調査ネットワーク」世話人 柳田真さん

 「サクラと環境・原発」と銘打ち、5年間全国各地で調査してきました。そのなかで今年、新潟柏崎刈羽原発周辺でサクラの大きな異常が発見されました。

新潟県刈羽村赤田農村公園で見つかった異常な桜の花。花弁の変形、花弁4枚、ガクの異常が見られる

 サクラの正常な形は花ビラ5枚、ガク5枚ですが、そうでないものが多数みつかりました。花ビラの変形、重なり、矮小化や花ビラが4枚や6枚のもの、ガクの異常などです。昨年は5本の樹、4609花を調べて、異常は143、異常花率は3・1%でした。ところが今年は4本の樹、4000花を調べたら、異常は912、異常花率は22・8%とはね上がりました。全国平均は2・89%です。

 5年間全国を調べて、こんなに異常花率が跳ね上がったのは今回が初めてです。この原因は一体何でしょうか? サクラの芽が育つのは6月〜8月頃ですが、昨年この時期に起きた出来事と言えば新潟県中越沖地震柏崎刈羽原発の重大事故です。火災が起き、通常運転時を上回るヨウ素などのかなり大量の放射能を出しました。どうしてもこれとの関連を考えざるをえません。私どもは原発が原因だと思わざるを得ません。

 ところでサクラが咲くのは4月なのになぜ今頃になって発表するのか、との疑問の声も寄せられました。サクラは開花時期に差がありますから、九州から北海道までの調査は4月から5月までかかり、6月に集計して中間発表しました。その後全国からレポートをもらいパンフレットのかたちにまとめるのに1ヶ月近くかかり、柏崎から来ていただく予定を調整するために7月末の記者会見となりました。

予防原則の立場からの放射能の影響調査は大切>
 前東洋大学教授 奥田智子さん

 調査対象として選んだソメイヨシノは、エドヒガンを母とし、オオシマザクラを父として生まれたクローンです。このソメイヨシノの花を調べ、正常な形からずれたものがどれぐらいあるのかを調べました。

 サクラ調査のきっかけは、浜岡原発のそばにある寒椿の花の異常を発見したことでした。当初は原発が原因ではないかと考えましたが、それを疑うとすれば原発の影響の少ない遠隔地でも調査しなければならないと考えて、九州から北海道まで全国に調査範囲を拡大してきました。

 2004年から2007年では、原発から30キロ以内の原発現地では異常花率2%前後、遠隔地でも大して大きな差はありませんでした。

 2008年は全国44地点で118本のサクラの樹、12万9658の花を調べました。原発現地では25本の樹2万7954の花を調べ、異常花率は5・63%です。2007年は2・64%でした。原発より30キロ外の遠隔地では、93本の樹、10万1944の花ビラを調べ、異常花率は1・95%でした。前年は1・67%です。

 両者を合わせ今年は118本のサクラの樹、12万9658の花を調べて異常花率は2・89%でした。前年は1・86%です。今年の異常花率が高かったのは、柏崎刈羽原発周辺で異常花率が突出して高くなったためです。

 ただこうした場合の因果関係を確定することは大変に難しいのです。地球の歴史の長さと比べればまだまだ人間の知識など小さいわけですから。しかし昨年の事故で放射能が漏れたことは確実ですし、それによって異常が生み出された可能性は高いだろうと思います。
 複雑系の世界では簡単に結論が出るわけではありませんが、予防原則の立場から考えるためにもこうした調査を続けることは大切だと思います。

<身の回りの植物がなんかおかしいと感じる>
 「すべての原発廃炉に!刈羽村生命を守る女性の会」近藤ゆき子さん

 私たちは第2回目の桜調査から少しずつ関わるようになり、今年はすべて私たちのメンバーが調査しました。春先は天候不順が続きましたが、たまたまメンバーが集まれた4月11日、かなり寒い日でしたが調査しました。

 調査を開始し、余りに異常が多くて「これは一体どうしたんだ」と本当にびっくりしました。見るもの見るものがみんな異常で、正常なサクラがどんなものなのか分からなくなるほどでした。特に赤田農村公園のサクラは、ピンクが濃い部分と薄い部分の差が激しかったように思います。

 中越沖地震からちょうど1周年になる今年の7月16日、サクラの枝を調べてみたところ、確かに来年の花芽がついていました。ですから去年の7月16日にも完全に花芽はできていたはずです。そんななか放射能が3日間降り続けたわけです。

 私は東京電力の言うことは全然信用していませんが、どうもこれらのサクラの異常を見ると本当に私たちの健康にも影響があるのかと心配です。サクラだけでなく、様々なものがちょっとずつ巨大化している気がします。

 例えば我が家の柏の木の葉っぱがいつもの年よりも大きいような気がするし、非常に繁茂している、成長が著しい感じです。またムラサキツユクサの色も普通でない気がするし、ものすごく大きくなったアジサイも見ました。私が放射能の影響を心配して見ているからそう思うのかもしれませんが、色んなものを見ては「変だな、変だな」と感じます。

 来年以降もサクラ調査を続けるわけですが、どんな結果になるのか注目したいと思います。

<わずか2日間で700年分の放射能を出した>
 物理学者 槌田敦さん

 昨年7月16日の地震柏崎刈羽原発7号機から放射性ヨウ素が大量に放出され、翌年の春に付近のサクラの花に異常が多発しました。この関連について考えてみたいと思います。

 16日の地震の際、7号機排気筒の放射線モニターは放射線をまったく検出していません。同時に敷地内9基のモニタリングポストでも地震当日早朝の雨による変化のみで、地震直後に変化はありません。雨が降れば自然界の放射能が落ちてくるので、これは通常の変化です。これにより東京電力放射能は全然出ていないと安心していたわけです。

 ところが翌17日、たまたま1週間毎の排気筒定期測定が行われました。これは排気筒の空気をフィルターに通し、そこに溜まる放射性物質を測定するものです。この測定で大量の放射性ヨウ素が検出されたのです。これにより東京電力は大慌てすることになります。この日東京電力は、放出量は約3億ベクレルと速報します。

 その後7月27日、東京電力は放出されたヨウ素の内訳を市民団体に口頭で説明しました。それによると、ヨウ素131が0・23億ベクレル、ヨウ素133は1・8億ベクレル、ヨウ素135は1・1億ベクレルです。東電は総計で、これを全部足した数より多めの約4億ベクレルと発表しています。

 ただしこの発表には半減期の短いヨウ素132と134は含まれていません。半減期が1〜2時間と短いので測定できなかったわけです。それを含めればどのぐらいの量が出たのか。これら5種類のヨウ素の発生確率はほとんど同じなので、約3億ベクレルを加算します。そうするとヨウ素の放出量の合計は約7億ベクレルとなります。

 通常運転でも原発は常時ヨウ素を放出しています。東京電力の発表では、1年間で100万ベクレル程度です。これと比較すると、7号機は1年で放出する量の700倍ものヨウ素を昨年7月16日と17日の2日間で放出したことになります。これは大変な量です。

 美浜原発3号機は、1991年2月に蒸気発生器細管が破断して1次冷却水が2次冷却水のなかに流れ込みました。このため2次冷却水の圧力が高まり安全弁から噴き出したことで、主にヨウ素が約3・4億ベクレル放出されました。昨年柏崎刈羽原発は、それと同じ、またはそれを上回る放射能を出したのです。

 問題はこれだけ大量の放射能を出しながら、排気筒の放射線モニタには全然変化がなかったことです。これまで東京電力は、この放射線モニタを根拠に放射能は自然界のレベル以上は出していませんと主張していましたが、それが当てにならないことがはっきりしました。原発の排気筒から出る放射能は、大量の空気で薄められているだけなのです。

 東京電力は、放射線は大気によってさらに薄まったから、生体への影響はなかったと断定しています。しかし大気中の煙の密度に濃淡ができるのは常識ですから、東京電力の希望的説明は当てになりません。

 さらにヨウ素甲状腺に溜まると考えれらていますが、甲状腺以外の遺伝子に関係する器官も攻撃します。原発事故で一番最初に影響を受けるのは、鼻から吸ったヨウ素が脳にダメージを与えて頭がクラクラすることです。そして遺伝子に関係する器官も影響を受けます。その証拠が今回発表されたサクラの異常です。東京電力はこの事実を否定することはできないわけで、どのように反応するのか興味があります。

 みなさんがサクラ調査を丹念に行ってきたことが、東京電力放射能管理の杜撰さを暴露したと思います。

スリーマイル原発事故後に発見された巨大タンポポの写真を背景に語る菅井益郎さん(左)と槌田敦さん(右)

<スリーマイル原発事故でも当局は嘘をついた>
 國學院大學教授、市民エネルギー研究所 菅井益郎さん

 私は87年から89年の2年間アメリカのフィラデルフィアに住んでいまして、当時度々スリーマイルに行きました。そこで撮影した写真を紹介しながらお話したいと思います。

 今回のサクラ調査の結果に大変驚きましたが、1979年3月28日にメルトダウン原発事故が起きたスリーマイル島周辺でも、異常な植物がたくさん発見されました。また農場の家畜の流産、異常出産などが多発したのです。

 これはメアリー・オズボーンさんが発見した有名な奇形の西洋たんぽぽです。以前、日本テレビ系の連中が東京電力に依頼されてこのたんぽぽを撮影し、「こんなものは一切ありません」ととんでもないPRビデオを作りました。抗議した結果そのビデオ5000本はお蔵入りになり、今手元には1本も残っていませんが、とにかく東電はこうした植物の異常を否定したくて仕方ないわけです。

 こうした異常な植物についてアメリカの当局は、農薬汚染と排気ガスのせいだと主張しましたが、だったらなぜこの地域だけにこうした異常が出ているのかを説明できません。

 教会の敷地に建つ木では、事故以降に成長した部分がそれ以前と比較してモヤモヤと生い茂っているのが分かります。樹木という感じがしません。この異常が様々な雑誌に紹介されて話題となり、結局この木は切られてしまいました。だから私は、今回異常が多発した柏崎刈羽の東電PRセンター内にあるサクラの木もひょっとして切られてしまうのではないかと心配しています。

 スルーマイルそばのある歯科医は、レントゲン用のフィルムの6〜7割が感光したので州の保健局に届けたそうです。ところが保健局の局長は、「そんなことを発表すれば歯科医の資格を取り消す」と圧力をかけ、結局発表できなかった。

 スリーマイル島事故でも、「環境に影響を与えるような放射能は出していない」「影響があると言っている人は嘘をついているんじゃないか」とのキャンペーンが行われました。 当局の発表はデタラメで、未だに放出されたヨウ素は14キューリーだとされています。しかし京大原子炉実験所の瀬尾健さんの計算では、2千〜1万キューリーは出ています。

 今回の柏崎刈羽原発事故も、東電が虚偽報告などで嘘を言い続けたなかで起きました。私の親戚もたくさん住んでいますので、本当に刈羽のことは心配です。

(1274号 2008年8月25日発行)